第50回講談社児童文学新人賞佳作受賞作
穂村弘氏(歌人)推薦
“1日の中に「時間」がたっぷり詰まっていた頃の気持ちが溢れ出して驚いた。
陣崎さんの言葉は凄い。”
芝生のグリーンに彩られた、いとおしい日々
「この人、カッコイくない?」
チイちゃんが指さしたのは、派手なピンク色のヘルメットを小脇にかかえ、これまたピエロの衣装みたいに派手なカラーリングの服を着た男の人が、馬のとなりに立って笑っている写真だった。
「いっしょに行かへん?競馬場……」
それは今まで友達から受けたどんな誘いよりも新鮮さとおどろきのあるものだった。
チイちゃんはいつだって超然としてる。いじめや無視をやる子なんか歯牙にもかけないで、平然とふるまう。
中学生になったばかりのカン子は小学校のとき大好きだったチイちゃんに競馬場という以外な場所へのレジャーに誘われる。カッコイイ騎手がいて、芝生のグリーンがキラキラしてて、馬はでっかくてツヤツヤで「とにかくキレイ」なんだって。
チイちゃんとカン子は中学が別々になっても、共通の趣味を通じて友情をはぐくんでいく。だけど、とてもノーテンキにはしゃいでばかりいた中学二年の夏に、チイちゃんのお父さんが失踪してしまった――。
小学校六年から高校までの二人の少女の友情と成長を描く、楽しくて、つらくて、だけどキラキラと輝いて愛おしい、そんな日々の物語です。
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